請求書をどのように保存しますか?
以前、このブログにて電子帳簿保存法について簡単に説明しましたが覚えていらっしゃいますでしょうか。
今年の1月から施行された、電子取引の情報、例えばメールやWebで受け取った請求書や領収書は電子保存が義務化されるという法律です。
それでは突然ですが、ここで問題です。
Q.メールで送られてきた請求書(PDFファイル)を皆さんはどうやって保存しますか?
Aさん「とりあえず印刷して、その紙を社内でまわすからそれをファイルに綴じておけばいいんでしょ。」
↑↑これは完全にNO!です。
Bさん「PDFファイルをパソコンにダウンロードして、請求書フォルダを作ったからそこに保存するかな。」
↑↑う~ん、半分正解です。
Cさん「電子帳簿保存法って電子データをそのまま保存するんだよね?だからメールをそのまま受信箱に入れておけば保存されるよね。」
↑↑これも、、半分正解ですね。一応。
実は、電子帳簿保存法における電子データの保存についてはいくつか要件があり、それを満たしていなければ正しく保存されたことにはなりません。
保存要件は、「真実性の要件」と「可視性の要件」の2つに分かれています。
国税庁のホームページから抜粋したものです。
ものすごく簡単に言うと、次のようなことです。
★真実性については、偽装や改ざんされないように保存すること
★可視性については、税務調査時にデータを求められた場合にすぐに応じることができること
ということで、最初の質問について答え合わせをしていきたいと思います。
まず、Aさんの場合、電子データの保存については今年1月1日から義務化されたものですので、紙での保存は認められません。
次に、Bさんの場合、保存するPDFのファイル名に規則性を持たせなくてはなりません。
ファイル名には、取引年月日、取引金額、取引先の3つを記載し、これらの項目によって検索できるようでなければならないのです。
例えばこのようにファイル名を記載します。
例) 2022年(令和4年)10月31日に株式会社■■から受領した110,000円の請求書
⇒「20221031_㈱■■_110,000.pdf」
そして、「取引の相手先」や「各月」などのフォルダに格納してわかりやすく保存するとなおベターです。
最後に、Cさんの場合のようにメールでの保存も可能なのですが、メールシステムにて検索できることが必要です。
ただし、メール検索といっても、相手先から送られてきたファイルはおそらく相手先ごとにファイル名など異なるでしょうし、上記の3つの検索項目を満たしていない場合も多いと思いますので、
できればBさんのような形式で保存した方が、可視性の要件を満たすものになると私は思います。
このように、一言で”保存”といっても様々なとらえ方があると思います。
電子帳簿保存法には保存の要件というものが決められていますので、それに則して会社ごとに対応方法を決めて運用していく必要があります。
実は今回のBさんとCさんの例においては、可視性の要件には一部触れていますが、真実性の要件については触れませんでした。
また別の機会に、真実性の要件を備えるには何が必要か?ということをご説明したいと思います。