申告書と決算書の違い、わかりますか?
急に秋めいて過ごしやすい季節になってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は経理を担当していますが、「決算書見せて」とか「申告書のコピーちょうだい」とか、よく頼まれます。
もし皆さんが経理担当だとして、同じように依頼されたら、何の書類を渡せばよいかわかりますか?
営業や外回りの方でも、お客様に決算書や申告書を依頼するときに、その場で確認できた方がいいですよね☆
そこで、今回は「申告書」と「決算書」の違いについてご説明したいと思います。
申告書とは
法人において「申告書」と言ったら、法人税の申告書を指します。
↓表紙はこういうものです。
この申告書は、法人税の金額を計算するものです。
簡単に計算手順を説明しますと、損益計算書の当期純利益からスタートして、税金を計算するために必要な金額を足したり引いたりし、税務上の利益(=所得といいます)を出して、その後法人税額を算出します。
専門的な知識が必要になりますので、中小企業ですと申告書を作成するのはほぼ税理士だと思います。
1つ1つの書面は別表といい、別表一から別表十九までありますが、すべて揃える必要はなく、その会社に必要な別表が作成されます。
ここで注意なのが、「申告書を・・・」と言われたときに、ここでいう申告書のみですと実は不足しています。
詳しくは後ほどご説明します。
決算書とは
決算書は通常、
・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
の3つが最低限入ります。
・販売費および一般管理費
・注記表
・キャッシュフロー計算書
も、会社で作成していればそちらも決算書に加えます。
決算書はいわば、会社の成績表ですね!
↓こんな感じの表紙から始まります。
(表紙は会計ソフトによって異なるため、下図は参考程度にしてください。)
結局何を用意すればいいの?
実務を行う上で、申告書というと通常、申告書一式を指します。
申告書一式とは、基本的に以下の5つの書類になります。
・申告書
・決算書
・勘定科目明細書(または内訳書)
・法人事業概況説明書
(・税務代理権限証書)
これらは、決算日後2ヶ月以内に税務署へ提出する書類一式なりますので、法人であれば毎年作成しているはずです。
金融機関や取引先などから「決算書を提出してください」と言われたら、「決算書とは」でご説明した決算書を見せればよく、その他の申告書等の書類は必要ありません。
また、補助金や助成金申請などで「申告書を添付してください」などと指示があったら、上記の申告書一式を用意することになります。
いかがでしたでしょうか。
これでもう、決算書や申告書を依頼されても大丈夫ですね!!
一度、このような書類の実物を目にするともっと理解が深まると思いますので、勤めている会社の決算書や申告書を見てみるのもおススメです^^/