こどもの日の由来

2022年05月11日 社員のつぶやき

暖かく過ごしやすい日が続いていますね。

今年のGWは去年、おととしと違い、遠方へ出かけた方も多かったのではないでしょうか。

色々な「始まりの月」である4月があっという間に過ぎ、やってくる連休の中の一日「こどもの日」。

世間には「子どもが大きく元気に成長したことを祝う日」として定着していますが、法律が制定した祝日の意味には母親への感謝も含まれています。また、「3月3日のひな祭りが女の子をお祝いする日であり、男の子をお祝いする日がこどもの日」と捉えている人も少なくないでしょう。しかし、こどもの日には特に性別の区別はなく、男の子・女の子を問わずお祝いをします。

1. こどもの日の由来

世界で最初にこどもの日を制定した国は、トルコだと言われています。トルコの初代大統領が、トルコで初めて国民議会が開かれたことを記念した「国民主権の日」を、子どもたちを祝う日として提唱したことがきっかけです。その後、1925年にスイス・ジュネーブで開催された子ども福祉世界会議で、6月1日が「国際こどもの日」と制定されます。

そして、第二次世界大戦の終戦から3年後、もともとは端午の節句として行事が開かれていた5月5日を「こどもの日」とする請願が国会で出され、1948年に祝日と定められました。1954年には子どもたちの相互理解と福祉向上を目的に、国連が11月20日を「世界子どもの日」と決めています。そこから、世界のあらゆる国でこどもの日を制定する動きが活発になり、6月や11月など、各国の事情に即した日付でこどもの日が誕生しました。

2. 端午の節句との違い

こどもの日が法律で定められた祝日であるのに対し、端午の節句は伝統行事であることが、大きな違いです。端午の節句は奈良時代から続く「五節句」という行事が由来となっています。五節句とは、季節の節目に設けられた5つの式日を指します。

端午の節句の起源は、2300年前の中国です。もともと5月5日は陰謀により国から追放された屈源という人物を供養する祭りの日でしたが、徐々に病気や災厄を祓う行事へ移り変わります。そして、奈良時代に無病息災を願う行事として中国から日本に端午の節句が伝わりました。端午の節句が男の子の成長を祝う日となるのは、江戸時代に入ってからです。端午の節句に関わる「菖蒲」と、武を重んじることを意味する「尚武」をかけて、端午の節句は武家の跡取りとなる男の子の成長を祈る行事となりました。

子どもに伝えたい!こどもの日にまつわる風習・慣習

こどもの日は、男女を問わず子どもたちみんなの成長を祝い、また母親に「ありがとう」の意を示す、大切な日です。こどもの日は端午の節句と同じ5月5日であることから、端午の節句で行われていた習わしが、こどもの日の風習として根付いています。

ここからは、こどもの日に行う代表的な慣習の内容や食べ物を紹介します。

1. 鯉のぼり・五月人形を飾る

鯉のぼりは、江戸時代の武士が玄関に飾っていた幟や旗指物が由来です。その後、滝を上った鯉は竜になるという中国の登竜門伝説にちなみ、「川の流れに逆らって上昇する鯉のようにたくましい子に育ってほしい」という願いを込めて、武士以外の町人も鯉のぼりを揚げるようになったという言い伝えがあります。

また、子どもを災いから守ることを目的に、五月人形も飾るようになりました。鎧や兜には病気や事故から守る意味が、弓矢や太刀には邪気払いの意味が込められています。五月人形の飾り物には鎧飾り・兜飾り・武者人形の3種類がありますが、いずれも子どもの代わりに災厄を引き受けてくれる役割があるため、人に譲ることは推奨されていません。厄除けとしての役目が終わったときには、五月人形の供養が必要です。

2. 菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る

強い香りを放つ菖蒲は、古来より中国で邪気を払う薬草として取り扱われています。そのため、「暑い夏を健康に乗り切れるように」という願いを込めて、菖蒲湯に浸かる習慣が生まれました。菖蒲にはオイゲノールなどの精油成分が含まれており、お風呂に入れて菖蒲特有の香りを嗅ぐことで、リラックス気分を味わえるでしょう。

また、菖蒲は湯に入れるだけでなく、厄払い・魔除けとして屋根につるしたり、お酒に入れて飲んだりする風習もあります。「ショウブ」という響きが「勝負」「尚武」などの言葉を連想させることから、菖蒲を使用することには子どもの健やかな成長を願う意味合いも含まれます。

3. 柏餅・ちまきを食べる

こどもの日に柏餅を食べる理由は、柏が子孫繁栄につながる縁起のよい植物だと捉えられているためです。柏の葉は新芽が育つまで古い葉が落ちないことから、武家社会において「柏餅を食べると家系が途絶えない」と考えられるようになりました。柏餅を食べる風習は、関東地域を中心に広まっています。

一方で、ちまきを食べる風習は関西地域に根付いていることが特徴です。「政治家・詩人であった屈原が川に身投げしたあと、人々が供養の意味を込めて楝樹(せんだん)の葉で包んで五色の糸で巻いたちまきを川に投げ入れた」という中国の故事に由来し、災いを避ける目的でちまきを食べる風習が生まれました。

 

こどもの成長を祝い、母親に感謝する日。意味を知ると来年は今までと違う気持ちで過ごせそうですね。

≪参照≫’https://hoiku.mynavi.jp/contents/hoikurashi/childminder/knowledge/8182/

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