syshan埼玉オフィスより発信☆PC用のメモリーが高騰しています

2025年11月22日 仕事のこだわり

PC用メモリー(DRAM)の価格が高騰している、あるいは底値を打って上昇傾向にある主な理由は、大きく分けて以下の4つの要因が絡み合っています。

 

1. メーカーによる「減産(生産調整)」

これが最大の理由です。2022年から2023年前半にかけて、コロナ禍の特需が終わり、世界的にパソコンやスマートフォンの需要が激減しました。その結果、メモリーメーカー(Samsung、SK Hynix、Micronの3大手)は大量の在庫を抱え、価格が暴落しました。

これに対処するため、各メーカーは意図的に工場の稼働率を下げて生産量を減らし(減産)、在庫を適正化して価格を引き上げる戦略をとりました。この効果が2023年後半から現れ始め、供給が絞られたことで価格が上昇に転じました。

2. 生成AIブームによる影響(HBMへのシフト)

ChatGPTなどの「生成AI」の爆発的な普及により、データセンター向けのAI用半導体(GPUなど)の需要が急増しています。これらには「HBM(広帯域メモリー)」という特殊で高価なメモリーが大量に使われます。

  • 製造ラインの圧迫: 大手メーカーは利益率の高いHBMの生産を最優先にしています。HBMは通常のDRAMよりも製造難易度が高く、生産能力を大きく占有します。

  • 汎用品の不足: その結果、一般的なPC用メモリー(DDR4やDDR5)を作るためのラインが相対的に減少し、供給不足気味になっています。

3. 次世代規格「DDR5」への移行

パソコンのCPUが新世代(IntelのCoreシリーズやAMDのRyzenなど)になるにつれ、メモリーの主流が従来の「DDR4」から、より高速な「DDR5」へと移行しています。

  • 製造コスト: DDR5はDDR4に比べて部品点数が多く(電源管理チップなどが載っている)、製造コスト自体が高いです。

  • 需要増: 新しいPCを組む人はDDR5を選ぶため、需要が高まっており、価格が下がりにくい状況です。

4. 円安の影響(日本国内特有の事情)

これは世界的な要因ではなく日本国内の問題ですが、非常に大きな影響を与えています。
PCパーツはほぼ全て輸入品(ドル建て決済)です。為替が円安に振れれば振れるほど、海外での原価が変わらなくても、日本国内での販売価格は自動的に値上がりします。


今後の見通し

専門家の予測では、当面の間、価格は上昇傾向、あるいは高止まりが続くと見られています。

  • メーカーが黒字化を安定させるまでは大幅な増産を行わない姿勢であること。

  • AI需要が依然として強く、生産能力がそちらに割かれていること。

これらの理由から、もしPCの購入や増設を検討されている場合は、「安くなるのを待つ」よりも、必要なタイミングで購入する方が結果的に安く済む可能性が高い状況です。

いつまで続く?

残念ながら、2026年いっぱい(来年末)までは高値、あるいはさらなる上昇が続くという見方が濃厚です。

現在(2025年11月時点)の市場動向と、主要メーカーの計画に基づくと、「安くなるのを待つ」のはリスクが高い状況と言えます。

理由は以下の3点です。

1. 2026年分の「生産枠」が既に埋まっている

AIサーバーに使われる超高性能メモリー(HBM)の需要が異常なほど高く、主要メーカー(Micronなど)は**「2025年だけでなく、2026年生産分のHBMもすでに完売(予約済み)である」と発表しています。
メーカーは利益率が桁違いに良いHBMの生産を最優先するため、我々が使う普通のPC用メモリー(DDR5など)を作るための工場のラインは、2026年も空きが出にくい=
品薄・高値が続く**ことが確定的な状況です。

2. DDR4の「供給絞り込み」が加速する

現在主流がDDR5へ移りつつありますが、古い規格であるDDR4の価格も今後さらに上がる可能性があります。
メーカーが限られた生産能力をDDR5やHBMに全振りするため、DDR4の生産ラインを廃止・縮小させているからです。「古いから安くなる」のではなく、「作らなくなるから希少になって高くなる」というフェーズに入りつつあります。

3. Windows 10 サポート終了に伴う需要増

2025年10月のWindows 10サポート終了(EOS)に伴い、企業や個人のPC買い替え需要(=DDR5メモリーの需要)がピークを迎えており、これも価格を下支えしています。

結論:いつ買うべきか

**「必要なら、今すぐ(あるいは早めに)確保する」**のが賢明です。

  • 2026年以降: 供給不足が解消される目処は立っておらず、さらなる値上げの予測も出ています。

  • 下落のタイミング: 早くても2027年以降、AI特需が落ち着くか、メーカーの新工場が稼働して供給能力が大幅に増えるまで待つ必要があります。

もしPCの増設や自作を計画されているのであれば、これ以上待っても価格メリットが出る可能性は低いため、早めの購入をお勧めします。

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